「営業の人手が足りないからアウトソーシングしたい」と感じている営業部の方もいるでしょう。
しかし、実際にアウトソーシングした経験がないと、どうしたらいいか戸惑うものです。
そこでこの記事では、営業のアウトソーシングについて紹介していきます。
最後まで読むと、アウトソーシングの種類や利用するメリット、依頼するときの注意点などがわかります。
営業のアウトソーシングを検討している方は、ぜひお読みください。
営業におけるアウトソーシングの種類
営業のアウトソーシングとは、営業業務の一部またはすべてを社外へ依頼することです。
社内のリソースだけでは回らなくなってしまった業務も、社外の力を借りることで進めていけます。
そして、営業のアウトソーシングには以下3種類があります。
- 営業代行
- SPO
- 営業派遣
社外への依頼方法や受けられるサービスが異なりますので、ご自身の状況にあうものを選んでみてください。
①営業代行
営業代行は、名前の通り、営業業務を代行してもらえるサービスです。
営業活動の一部を依頼したり、アポから成約までの流れをすべて依頼したりと使い分けができます。
業務の一部を依頼する場合には、以下のように範囲を決めて依頼します。
・テレアポ
・オフライン施策の実施
・インターネットを活用した集客 など
営業代行は、営業活動のマネジメントなどもすべて代行会社が行ってくれます。
そのため、人手が不足していたり、営業ノウハウがなかったりする場合におすすめです。
②SPO
SPOとは、セールス・プロセス・アウトソーシングと呼ばれるものです。
営業活動のプロセスすべてを依頼できるのが特徴です。
そのため、営業ノウハウの蓄積や人材育成についても対応してもらえます。
自社の社員と依頼先のスタッフが協働しながら、営業効率の改善や成果アップを目指します。
人材育成に悩みを抱えている場合には、SPOの利用がおすすめです。
③営業派遣
営業派遣とは、営業スキルをもった人材を派遣してもらえるサービスです。
派遣してもらった人材は自社の指示によって営業活動を行うため、マネジメントする必要があります。
また、業務範囲については派遣契約をする際に取り決めを行います。
そのため「商材にあった戦略が確立されているが人手が足りない」という場面での利用がおすすめです。
営業のアウトソーシングを利用するメリット
営業のアウトソーシングを利用すると、以下3つのメリットを享受できます。
- 短期間で成果を得やすい
- コスト削減につながる
- 新規開拓しやすい
以上のメリットが「自社にとって必要だ」と感じた場合には、アウトソーシングの利用がおすすめです。
①短期間で成果を得やすい
営業スキルのある人材に業務を依頼できるため、短期間で成果を得やすいです。
本来であれば、自社にて営業スキルをもった人材を育成しなければいけません。
人材育成はとても時間がかかるもので、成果も長期的に狙っていく必要があるものです。
「人材育成よりも今は目の前の成果が何よりも大事」という場面では、アウトソーシングが役立つでしょう。
②コスト削減につながる
人材育成には時間だけでなく多大なコストもかかるものです。
1人の営業マンを育てるためには、給料だけでなく社会保障費や交通費などが必要です。
予算があまりない状況では、人材育成にコストを割くのは難しいでしょう。
「コスト削減をして業績を立て直したい」といった場面ではアウトソーシングの利用を検討してみてください。
③新規開拓しやすい
営業代行やSPOの場合には、新規開拓がしやすいです。
依頼した会社がもっているリストや業界知識を活かせるからです。
「新しい分野を開拓したい」「新規顧客を獲得したい」という場合には、アウトソーシングが役立ちます。
ただし、営業代行は成果のみの報告である場合も多いので、注意が必要です。
営業のアウトソーシングを利用するデメリット
営業のアウトソーシングを利用するデメリットは、以下4つがあります。
- 赤字のリスクがある
- 情報漏洩のリスクがある
- 営業活動の状況がわかりにくい
- 長期的な戦力が落ちる
利用する前にデメリットを知ることで、後悔したり失敗したりするリスクを減らしてみてください。
①赤字のリスクがある
営業のアウトソーシングをしても、依頼料以上の成果が出るとは限りません。
とくに商品単価が安い場合には、多くの成約数が必要なため、大きな利益をあげるのが難しいです。
扱う商品の単価も考慮しながら、赤字が出ないかどうか確認してみてください。
②情報漏洩のリスクがある
アウトソーシングでは情報漏洩のリスクがあります。
自社の管理が行き届かない社外の人が情報を扱うことになるからです。
アウトソーシングする上では自社の情報を共有することは必須です。
秘密保持契約(NDA)の締結をして対策しておきましょう。
③営業活動の状況がわかりにくい
依頼先の営業マンがどのように営業を行っているのかを把握するのは難しいです。
たとえ成果が出ても、自社のブランドを下げるような営業の仕方になってしまう可能性もあります。
営業活動のプロセスについても情報共有を行い、適切な営業活動をしてもらえる依頼先を探しましょう。
④長期的な戦力が落ちる
アウトソーシングを使うと自社の人材育成が疎かになる危険性があります。
短期的に成果が出るからといって依存してしまうと、自社の人材が育たず戦力が下がってしまいます。
自社の人材を育てる視点も忘れずにもっておきましょう。
営業のアウトソーシングの料金形態
メリットデメリットを踏まえた上で「営業のアウトソーシングを利用しよう」と感じた方もいるでしょう。
実際に利用する場合には料金形態を確認することが重要です。
営業のアウトソーシングにおいては、以下3つの料金形態があります。
- 成果報酬型:「アポ1件〇〇円」など成果に応じて報酬を支払う
- 固定報酬型:成果にかかわらず依頼内容に応じて報酬を支払う
- 複合型:成果報酬型と固定報酬型が入り混じった形態
赤字のリスクを下げたい場合には、成果報酬型を選びましょう。
料金の目処をつけておきたい場合には、固定報酬型がおすすめです。
双方のメリットを享受したい場合は、複合型を選ぶとよいでしょう。
その際には、どこまでが固定報酬でどこからが成果報酬になるのかをしっかりと確認するようにしてください。
営業のアウトソーシング会社を選ぶ際のポイント3つ
前章では営業におけるアウトソーシングの料金形態を紹介しました。
実際に利用する前には料金形態だけでなく、以下3つのポイントについても確認するようにしましょう。
- 依頼したい業務をやってくれるか
- コミュニケーションが迅速で誠実さがあるか
- 俗人性が高くないか
①依頼したい業務をやってくれるか
テレアポに特化した会社や営業プロセス全体を請け負う会社など、依頼会社にもそれぞれ特性があります。
また、営業活動を行う地域を限定している会社もあります。
依頼する際には自社が行って欲しい業務や、地域に対応しているかを確認するようにしてください。
②コミュニケーションが迅速で誠実さがあるか
依頼後には、進捗度合いの報告や方向性の確認などで連絡を取り合うことになります。
その際に連絡が遅かったり、頻度が足りないと感じたりすると大きなストレスになるでしょう。
また、自社の強みや方向性に理解を示さないなどの不誠実な対応をされたら、安心して任せられません。
成果だけにとらわれず、コミュニケーションについても問題ないかどうか確認してみましょう。
③属人性が高くないか
営業スタイルの属人性が高くないかどうかについても、確認するようにしてください。
属人性の高い営業スタイルを採用している場合、営業マンによって営業の進め方が異なります。
そのため、「各営業マンに任せていますので…」と言われるなど、営業活動の情報共有が難しくなります。
成果だけでなくプロセスの共有までしてもらいたい場合には、属人性も意識しておきましょう。
営業のアウトソーシングを依頼する際の注意点
アウトソーシングを依頼するときには、自社でも準備が必要です。
自社の営業にどんな課題があり、どんなゴールを目指すのかを明らかにしておきましょう。
依頼会社は自社の方針に沿って営業活動を行うからです。
方針が明らかになっていないと、思うように成果につながらない可能性もあります。
依頼する前には、自社の状況を確認するようにしておきましょう。
まとめ|営業のアウトソーシングをうまく活用しよう
営業のアウトソーシングについて紹介しました。
アウトソーシングは人手不足の状態でも戦力を確保できる便利なサービスです。
しかし、赤字になるリスクもありますし、人手不足を根本的に解決できる手段ではありません。
利用する場合には自社の課題を洗い出したり、費用対効果について検証を行ったりなどの対策を行いましょう。
しっかりと対策をした上で適切にアウトソーシングを利用し、営業成果をあげてみてください。