フルリモートでインサイドセールス組織をマネジメントする方法とは?

フルリモートでインサイドセールス組織をマネジメントする方法とは?

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当記事は2023年5月17日(水)開催のウェビナー内容をコラム化した内容です。
ウェビナーをYouTubeで公開しておりますのでコラムより動画を好まれる方は是非ご視聴ください。

本コラムについて


役割名はインサイドセールスという名前だけで「中身はテレアポと変わらないよ」と思われている方も多いのではないでしょうか。
架電メンバーがそう感じている時点でモチベーションがかなり落ちている状態であり、またメンバーが目指すべきKPIの設計自体にも課題があります。
今回のセミナーではフルリモート下でも適切なインサイドセールス組織の動かし方やメンバーのモチベーション向上について「KPI設計」と「チームマネジメント」の両側面で解説と議論をしていきます!

はじめに


釣田

それではよろしくお願いします!今回のセミナーでは、フルリモート下でもしっかりとインサイドセールス組織をマネジメントするということがテーマです。

①KPIマネジメントについて
②チームマネジメントについて

それぞれ私と吉武さん(※以下「りき君称」)がポイントを解説し、その後にディスカッションできればと思います。

早速ですが、りき君から①KPIマネジメントについて、ポイント解説をお願いします。

吉武さん

はい、よろしくお願いします!

ポイント解説丨KPIマネジメントについて(吉武氏)


ポイント

よくある課題
KPIを「達成できるメンバー」と「できないメンバー」の差が激しい。

◆真因1:達成するための「仕組み」ができておらず、「メンバーの能力」に依存してしまっている。
◆真因2:正しい行動設計/稼働設計・シミュレーションが構築できていない。
◆解決策1:インサイドセールス業務の分業制を行う
◆解決策2:チームで「コール完了」の定義の明確化を行う

吉武さん

最初に、
・よくある課題
・課題の真因
・解決策

この3つの観点でまとめています。

・よくある課題
KPIを「達成できるメンバー」と「できないメンバー」の差が激しい。
こちらは営業組織を持つ側に共通する課題かと思います。

・課題の真因
上記の課題を真因分析すると、2つ要因があるかと思います。

真因1:達成するための「仕組み」ができておらず、「メンバーの能力」に依存してしまっている。
真因2:正しい行動設計/稼働設計・シミュレーションが構築できていない。

吉武さん

・解決策
これに対して弊社で行っているのが
①インサイドセールス業務の分業制を行う
②チームで「コール完了」の定義の明確化を行う
こちらの2つです。

①インサイドセールス業務の分業制
インサイドセールスはもともと分業の部隊ではありますが、そこを更に分業していく。細かく分業していくことによりKPIの達成できるメンバー、できないメンバーの差を少なくしていくというところですね。

業務A:「担当者特定/情報収集目的」「セミナー集客」「ホワイトペーパー送付」をKPIに設定
業務B:「業務A」で情報回収できた企業先にコールをし、商談設定数をKPIに設定
業務C:マーケティング施策で得られたSDRリード対応し、商談設定数をKPIに設定

上記のように分け、役割やKPIを変えて運用していくという方法です。

②チームで「コール完了」の定義の明確化を行う
例えば「電話を掛けてください」「数を60件掛けてください」という指示を出した際に、それぞれ違った掛け方、追い方をしていくので、そこをチームでしっかりとプロジェクト単位で定義化しておかないと時間の使い方が変わってくる。結果の出方も変わってきます。


このあたりを本日共有できればと思います。

釣田

ありがとうございます!
たしかに、インサイドセールス業務の分業や担当分け、後はコールってやはり回さないと結果は出ないと思いますが、その回し方も人によって違ったり、バラつきがある。その前提で商談の質も変わってくると思うので、そこをしっかりルール化するということは確かにな、と思いました。

吉武さん

今のところで、より皆さんにイメージを付けていただけたらと思いまして…
例えば「コール完了」の定義の明確化を行うというところで、

応用❶)コール完了に基づいた数値集計を行う
「完了アポ率」「完了資料送付率」「完了コール数」を集計する

応用❷)コール完了に基づいた数値集計/シミュレーションを行う

例えば縦に企業名、電話番号が載っているようなExcelやスプレッドシートでコールされることもあるかと思います。この場合、縦に100コール掛ける(100企業に対して1回ずつ掛ける)というアクションコールをする人と、50リストに対して2回ずつ掛ける人だと結果が変わってきます。

そういった点からも推奨しているのが、「何回コールしたところが一番アポが取りやすいのか?」「初めて掛けるリストに対して何回コールするのが一番推奨とされるコール回数なのか?」「もうこれ以上追わないコール完了をするステータスはどういった風に定義していくのか」

あとは、1リストに対して1コールでコール完了になることはほとんどないと考えています。大抵3-5回掛けます。例えば5回と指定してもコール完了自体はならすと2.5回とかで終わるという数字が出たりします。そうすると稼働設計や稼働ボリュームの詳細をたてることができます。

マネジメントをするという観点で行くと、メンバーの稼働時間をどのように使っていくかが結果に直結する、そこをどうマネジメントや定義化していくかが重要な観点になってくると思います。

釣田

ありがとうございます。
せっかくなので、こちらのスライドをもとにディスカッションに入りましょう

パネルディスカッション丨コールの上手い人の特徴 / インサイドセールス業務の分業制


ポイント

コールの上手い人の特徴

追うべきリストに対して正しい管理ができている
正しいタイミングでアプローチができ
◆育成のポイント「インサイドセールス業務の分業制を行う

釣田

コール完了という観点だと、うまい人ってどういうやり方でコールしたり、追客していると思いますか?

吉武さん

やっぱりうまい人という観点ですと、追うべきリストに対して正しい管理が行えている。管理が行えているからこそ正しいタイミングでアプローチができますよね。正しい内容、正しいタイミングでアプローチをすることにより、高いアポ率の実現ができると思っています。

この観点で行くと、教育が難しいというのもあるかと思います。そこも改善するのが解決策①インサイドセールス業務の分業制を行うという部分でもあります。

釣田

なるほど!

吉武さん

仮に業務A業務B業務Cとなったときに、
業務Aはどういうコールかというと、情報収集を目的としたKPIとなっている。これをすることによって、アポになりやすい、案件化しやすいヒアリング項目を回収できているものを業務Bに引き上げるという考え方を持っています。

それぞれの役割を分業化することで追客などの属人化しやすいところを補うという手法がこの分業制です。

釣田

なるほど!これいいよね。
意外とやっていない企業多いですよね。実際にやってみてどれくらい成果が出たかなど定量的な部分は
どうかな

吉武さん

定量という面では、2-3倍ぐらいアポ率が変わってきます。ただのリストというよりも上場など 規模感の大きな企業に対して有効な情報を収集することによって、高いアポ率や生産性をあげられているというところが確認できています。

釣田

確かに、テレアポもインサイドセールスも割と作業になりがちという部分も。ベルトコンベアーみたいな同じ作業は同じ人が繰り返した方が効率は良くなりますよね。ひたすら担当者名を特定して、資料を送る、情報収集するという情報収集担当と、そこからアポを取っていくクロージングの担当を、完全に分けたほうが結果として効率は良くなるかなと。

実際自分の会社でもやっていますが、かなりアポも取れているので、ここはすぐに実践できるところかなと思うよね。

吉武さん

そうですね。
業務C:マーケティング施策で得られたSDRリード対応し、商談設定数をKPIに設定 とありますよね。

業務A業務Bは完全に新規のところ(BDR)の稼働設計ですが、ここがSDRになるとコールのかけ方や追い方が変わってくる。ここのBDRとSDRでしっかりとKPIを変えていかないとリードを殺してしまう可能性があるので、ここはかなり気を遣ってKPI設計しています。

場合によっては一緒に動くこともありますが、この場合はどう動いてほしいかを細かく分類分けして、目的を共有しながらかけてもらっています。

釣田

確かに、これは育成でもすごくやりやすいよね。
例えば、「担当者特定/情報収集目的」って割とスキルが低い人や入社したての人にお願いして、アポ獲得は割とスキルが高い人がやるというシステムにすれば、新人のオンボーディングがしやすいですよね。案件に慣れてもらいながら、徐々にアポ取りやクロージングに移行してもらうという形を取れば、育成もやりやすいよね。

吉武さん

そうですね。育成がしやすいという部分と、やはりインサイドセールスやテレアポって、源泉となる行動量をしっかりとオペレーションでできるかが大事になってきますので、そういった面でも分業することはいいかと思います。

釣田

なるほど。確かに、しっかり分けたほうが、コール完了の定義なども実際定義しづらい部分もあるかと思いますがそのあたりも明確になるかもね!
ありがとうございます。

ポイント解説丨KPIマネジメントについて(釣田)


ポイント

よくある課題
アポは取れるが受注ができない
インサイドセールスへ何をフィードバックすべきかわからない

◆真因1:ゴールが「アポを取ること」になっている
◆真因2:受注や有効商談になる条件が言語化されていない
◆解決策1:定量的なKPI設計
◆解決策2:ヒアリングのKPI設計

釣田

ではここからは、私の方で共有させていただきます。
さきほどのりき君のパートでは、商談獲得までしっかりと設計して効率的に商談を取りましょう、という話です。僕のパートに関しては、それ以降…有効商談や受注といったところのKPIマネジメントの話をさせていただきます。

・よくある課題
アポは取れるが受注ができない
インサイドセールスへ何をフィードバックすべきかわからない
こういった課題が多いかと思います。

・課題の真因
ゴールが「アポを取ること」になっている
・受注や有効商談になる条件が言語化されていない
根本の原因を考えると、ゴールが「アポを取ること」になっているというところかと思います。インサイドセールスはアポ数で数が取れて喜んでいるけど、会社や営業はそこまででもない…賞賛はすれども、心から喜んではいない。なぜなら、受注になっていないから。そんな実態があると思います。

釣田

解決策

①定量的なKPI設計
インサイドセールスは有効商談の定義(SAL)をKPIとして設定する
アポ数と受注数の間に有効商談(SAL)を設定する。インサイドセールスが追うべきはアポ数ではなく、いかにそれが有効商談になったかというところをKPIとするのがポイントかと思います。なので、インサイドセールスはアポを取っても、それが受注につながるアポ出ないと喜べない仕組みを作るというところです。

全メンバーで受注数や受注額の進捗を追う(共通認識を持ち、なぜ案件が進んだor進まなかったかを意識付けする)
追うべきはアポ数や有効商談数ではなく受注額・受注数だよというところを伝え続ける。そうすることで、一人一人が当事者意識を持つようになります。どうしてもマーケティングチームやインサイドセールスチームは、目の前の数やリードを追いがちです。そうなってしまうと最終的なゴールの受注額・受注数が見えなくなってしまう。リードを貯めるためのアポ獲得になってしまうので、そうするとどんどん各チームの目線やKPIがバラバラになってしまう。そこでマネージャー陣の進捗のギャップを伝え続けることが重要になってきます。

釣田

②ヒアリングのKPI設計
受注条件を言語化する(BANTCH)
まずは受注の条件を洗い出します。

受注条件からインサイドセールスが対応できる有効商談の項目を設計する
顕在的課題、現状の施策 等
インサイドセールスがヒアリングで精査できる項目を有効商談の項目として設定する。
例)採用をどのように行っているか?掲載をしているか、ダイレクトリクルーティングか、などの現状どういった施策をしているかを聞く。まったく聞かないアポだと、組織として行っている方が課題感が強い=興味もあるので商談も前に進みやすい。

インサイドセールスのチャレンジ領域を設定する
過去の導入実績、価値基準、決裁者やフローの確認 等

セールス側が聞いておくと嬉しい情報を、事前に聞けば聞くほど営業も商談の準備ができる。

定義した有効商談の項目にそってフィードバックしあう

例)採用はダイレクトリクルーティングとインサイドセールスからは聞いていたが実際は行っていなかった、もう少しこういった聞き方のほうがいいのでは?など的確なフィードバックが項目を設けることでしやすい。

ディスカッション丨ポイントは「電話段階でプチ商談」


ポイント

「電話段階でプチ商談」

通話時間に応じて有効商談かどうかを見極める
フィールドセールスがインサイドセールスをするとより営業の生産性は上がる
フィールドセールスの事前準備からクローズまですべてナレッジになる

吉武さん

ありがとうございます。やはりしっかり受注につながるアポイントを行うということはかなり重要なポイントだと思います。やはり、受注につながるアポを取れるインサイドセールスの特徴は、「電話段階でプチ商談している」ということがありますよね。しっかりと電話の段階で担当者の方と信頼関係ができていて、課題の特定と、課題に関するディスカッションができていると受注に繋がりやすいなと。

釣田

間違いない!

吉武さん

ひとつKPIのところでやってよかったことがあります。それが通話時間に応じて有効商談かどうかを見極める、ということです。


1アポあたりにどれくらいの架電時間がかかるのかという時間軸でKPI設定をするとか、5分以上話したら有効コールとするとか。このあたりと組み合わせるとより精度が上がりそうだなと思いながらお話を伺っていました。

釣田

なるほどなるほど、面白いね!たしかに、時間が長いほどしっかりとディスカッションしたとなりうるから、そこを有効商談とするというのは、観点としては面白いね!

りき君の言う通りで、お客様とプチ商談しているというのが有効商談になるというのは本当にその通りで。結論、フィールドセールスがインサイドセールスをするとより営業の生産性は上がる。ただ、セールスはリソースが限られている企業も多いかとは思いますが、思い切って配置換えをするのも即効性のある方法ではあるよね。

吉武さん

そうですね、まったく同じ認識を持っています。やはりフィールドセールスがインサイドセールスに入られるとかなり幅は広がりますよね。

釣田

そう、ナレッジを貯めると言いう意味でも、フィールドセールスがインサイドセールスに入ることでどういう項目を聞けば商談が前に進みやすいか、聴き方とか、ヒアリングのリアルな相槌の方法とか聞けるからナレッジが貯まるんだよね。

だから、例えば3か月だけフィールドセールスをインサイドセールスに入れてみるとか。ナレッジを貯めてある程度仕組み化してその人にセールスに戻ってもらうなんてのも手だよね。

吉武さん

そうですね、訴求軸というところもやはり一つの商材・サービスといったいくつかの切り口が設けられますし、サービスの上流から下流まであったときにどこから話すかによって提案の幅は変わってくるので、「そういう風な順番で話してるんだっけ?」など含めてインサイドセールスのスクリプトを構築すると受注の提案額や受注額も変わってくるので、その観点でもいい施策ですよね。

釣田

そう、本当にその通りで、フィールドセールスの事前準備からクローズまですべてナレッジになるから、「このお客様受注単価高くないな」「このお客様おいしそう」といった、第六感のようなもの、そこを言語化できるだけでもBtoBのセミナーでも活用できたりするし、スコアリングするときに「こういう傾向があれば+500点」というスコアリングをして優先的にFSに回すマネジメントも可能。そこは面白いところだなと思います。

ポイント解説丨チームマネジメントについて(吉武氏)


ポイント

よくある課題
なんとなくチームの空気感が悪い。チームに垣根ができている
インサイドセールスメンバーの意識があがらない

◆真因:メンバーとの「関係の質」が高まっていない達成するための「仕組み」ができておらず、「メンバーの能力」に依存してしまっている。
◆解決策:朝会のチェックインや1on1を通じて、心理的安全性を高める。

釣田

次にチームマネジメントについてです。チームをいかにいい雰囲気にするか、組織力を高めるかといったところですね。

では、りき君からお願いします。

吉武さん

はい、ありがとうございます。こちらも3つの角度からまとめさせていただきました。

・よくある課題
なんとなくチームの空気感が悪い。チームに垣根ができている
インサイドセールスメンバーの意識があがらない
やはり今、コロナの影響もアリフルリモートの組織が増えていたり、弊社でいくと正社員と業務委託という雇用形態が様々な人がいる環境でチームの意識をマネジメントしていくことに苦戦している会社も多いかと思うのと、弊社でもやはり苦戦していた時期がありました。

課題の真因
メンバーとの「関係の質」が高まっていない
そこを分解していったときに、メンバーとの「関係の質」が高まっていないというところに着目をして、しっかりと業務の稼働設計を組んでいった結果、解決されたという事例があります。

吉武さん

解決策
朝会のチェックインや1on1を通じて、心理的安全性を高める。
具体的には朝会のチェックインといわれる雑談みたいなところや、1on1を通じて、心理的安全性を高めるといった手法を取っています。

組織の成功循環モデルスライドにある考え方を取り入れ稼働設計をしています。ダニエル・キムという教授が提唱しているモデルで、Good CycleとBad Cycleというところで、それぞれ①関係の質 ②思考の質 ③行動の質 ④結果の質 という4つの観点がありどこから始めるかによって生まれるアウトプットや結果がかなり変わってくるということを表しています。

関係の質から始めると、心理的安全性が高まり信頼関係も深まる、気付きも生まれ、自発的に行動するようになり結果も良くなり、更に関係の質も深まる。

一方「なんでこれできていないの?」といった結果にとらわれてしまうと良い時はいいが、悪い時にリカバリーが効かないという事例が発生してしまう。結果、数字のつくりに走ってしまい、摩擦やギスギスした空気が生まれてしまう、不安や疑心暗鬼から守りに入ってしまい消極的となり結果がさらに悪くなる…といったロジックになっています。

吉武さん

次にマネジメントとメンバーが良い関係性であるためにはのスライドをご覧ください。

①心理的に安全な場づくり
マネジメントレイヤーが意識して作りましょう。

朝会の半分の時間は雑談や趣味の話などの自己開示ができる場を設ける

・相談しやすい
・業務で困ったことがある際に相談やアラートが上がってくる

・「一緒に頑張っていこう」という価値観の共有までできるようになる
一体感が生まれてくる

一体感が生まれてくると、結果も出やすくなる
熱中しやすくなる
チームとメンバーの仲が深まっていってそれがナレッジとして展開されたり、メンバーの権限移譲も生まれたり、結果サーバント(奉仕)のリーダーシップ(メンバーの才能を発揮できるリーダーシップ、マネジメントの仕方)ができる。

その方がどういう目的でこの組織に属しているかなどをしっかり聞いたうえで、組織でその方のキャリアを押し上げたり、自己実現できたりという道筋を作ってあげる。1on1や、弊社の実装では1on2などで組織を作っていく。①心理的に安全な場づくりから個人のキャリア形成までやっていくと強い組織になれて変化できたのでナレッジ共有をさせていただきました。

ディスカッション丨信頼関係構築を促す仕組みや工夫


ポイント

信頼関係構築を促す仕組みや工夫

チェックインオンボーディングチャンネルといった環境面の整備
マネジメントの組織メンバーによって役割を分け
引っ張ってくれる人としっかり連携をすることが重要

釣田

なるほど。ありがとうございます。面白いですね。確かに、よくあるセールスの分断って、結果「なぜこんなにアポを取ったのに受注に繋がらないのか?」「もっと受注に繋がるアポ取れよ」といった、数によって摩擦が生まれているのがリアルなところかなと。どちらかというともっと上流の信頼を深めるといったところから始めたほうが本音も言いやすく、建設的な意見も出やすいというのがチームの前提としてありますよね。

りき君に質問なのですが、対話や交流を通じてというところでどのような仕組みや工夫で普段行ってるんですか?

吉武さん

ありがとうございます。全体でやるという部分では、チェックインといって朝会の場で業務や結果の話からスタートせず、必ず雑談などから入る。また、全体共有の情報は比較的最小限、メンバーによって聞こえ方が変わらない、主観などの入らない事実としての数字だけを伝えるようにしています。

主観が入ったフィードバックは、各メンバーに直接伝える。全体の場では、メンバーによって聞こえ方が変わってきてしまうので、1on1や1on2などを必ず設けて伝える。現在のプロジェクトで思っていることや、今後どうしていきたいかなどをキャッチアップできる体制を作っています。

釣田

1on1や1on2では割と雑談が多い?

吉武さん

雑談なども含め、ですね。個別にオンボーディングチャンネルも作っていまして、そこでしっかりフォローアップできる体制も作ったり、それぞれマネジメントの組織メンバーによって役割を分けています。

とにかく数字を徹底的に管理するマネジメントメンバーがいて、数字のメンバーも告知はするし言うけどメンバーのフォローにも回中間がいて、一番下には完全奉仕といった、とにかく味方というメンバー…といった形です。

釣田

ああでも、わかるな。そこで数値管理もするしメンバーのケアもするという両方任せてしまうと、数字が悪かった時に本性が出てしまったり(笑)

役割として完全に味方というフォローアップする人と、数値を徹底的に管理する人がいる。これを実践しているとこれまで縦の関係で解決していたことが、横のつながりで会話が生まれたり、リーダーやマネージャーも知らないチームで話しているということがあって。そうなるといい空気になるよね。

吉武さん

そうですね。やはり現場のほうが解像度が高い、見ている視点なども変わってくるので引っ張ってくれる人としっかり連携をすることが重要。マネジメントだからといってすべてをやる必要はないと思いますね。

ポイント解説丨チームマネジメントについて(釣田)


ポイント

よくある課題
なんとなくチームの空気感が悪い。チームに垣根ができている
インサイドセールスメンバーの意識があがらない

◆真因1:各チームやメンバーのKPIや目線がバラバラであるため
◆真因2:マンネリ化
◆解決策1:ゴールは受注額・受注数という共通認識をもってもらう
◆解決策2:マーケ・IS・FS各チームにリーダーを配置+チーム全体を横断できるマネージャーを1名おく

◆解決策3:各チームリーダーでKPI(受注額・受注数)の共通認識を持つ
◆解決策4:評価制度の見直し

釣田

ありがとうございます!では次に自分のパートに行きますね。
先ほどのりき君のパートでは、チームとしての心理的な安全性や関係性についてお話をしてくれたので、自分は「インサイドセールスの業務」に沿ったお話をします。

・よくある課題
なんとなくチームの空気感が悪い。チームに垣根ができている
インサイドセールスメンバーの意識があがらない
先ほどりき君も話してくれたように、チームが分断してしまったり関係性が上がらない、数字を追い過ぎて本音が出ない(裏で陰口が言われてしまったり…)といったことがあるかと思います。

インサイドセールスメンバーの意識があがらない
どれだけアポを取っても、頑張っても会社として喜んでくれない…となると何を頑張ればよいのかわからなくなる、といったインサイドセールス側の思いもあります。

課題の真因
各チームやメンバーのKPIや目線がバラバラであるため
メンバーの目線はバラバラです。KPIの目線がバラバラなので、どんどん垣根が出来て空気が悪くなる。

マンネリ化
インサイドセールスはどうしても作業的になりがち。

釣田

・解決策
受注があがるとチームが歓喜する仕組みをつくる
まずは仕組みを作ります。

ゴールは受注額・受注数という共通認識をもってもらう
徹底的に定着をさせましょう。高い視座、アンテナを持ってくれるようになります。

マーケ・IS・FS各チームにリーダーを配置+チーム全体を横断できるマネージャーを1名おく
合計4名体制で実施します。

各チームリーダーでKPI(受注額・受注数)の共通認識を持つ

評価制度の見直し
一番手っ取り早いですが、アポ数ではなく受注数で評価をする。アポから受注が生まれたら、しっかりと評価をしてあげる。これにより、受注があれば心から喜べるチーム作りができると思います。しっかりと見直すことがポイントです。

吉武さん

確かに!

釣田

・解決策
マインドの観点


フィールドセールスはISにもっと興味を持ちましょう。ISは常に不安でいっぱいです笑。
⇒とにかく良いアポであれば褒める文化を!

時間もないとは思いますが、チーム内で何が正しいか分からなくなってしまわないように、とにかくいいアポや商談が前に進んだら必ず褒めてあげるという文化を作りましょう。

FSのフィードバックスキル(情報収集・整理・管理)によって営業組織全体の生産性が左右される
商談の良かった、悪かったの情報をしっかり整理して管理し、教えてあげましょう。それをするだけで、セールス全体の生産性はめちゃくちゃ上がります。
良くあるのが、セールスがフィードバックした内容が、若干ズレたフィードバックをしてインサイドセールスが改善したとしても結果に結びつかないことも。フィールドセールス側がどうしたら受注になったかの条件を整理して、「この項目が●●だったからこうヒアリングしてほしい」「ここがめっちゃ良かった!」など伝えていただくのがセールスに求められることかなと思います。

各チームが常に自責の念を持つ。ISは数値をクリアすると満足しがち。ゴールは受注額・受注数
ゴールは受注額・受注数なので、足りていない場合は「もっとアポを取らないと」「有効商談率が…」といった目線を持ちましょう。

メンバーのローテーションを行う
フィールドセールス⇔インサイドセールスのローテーションをすることも空気の循環になるかと思います。

ディスカッション丨マインドの醸成について


ポイント

インサイドセールスのモチベーションを上げる

◆ポジティブな一語一句共有
正しいタイミングでアプローチができ
◆育成のポイント「インサイドセールス業務の分業制を行う

日頃からマネジメント側がキャッチアップし会話をする

吉武さん

ありがとうございます。本当に納得です!特にマインドの観点というところで、マインドの醸成って難しいなと思っています。釣田さんの組織で、マインドの引き上げや醸成はどうされていますか?

釣田

ああ…。インサイドセールスのモチベーションを上げる、という部分ですよね?

営業代行なので特殊ですが、お客様から「このアポ良かったよ」と言われたら、そのまま一語一句共有します。結局セールス側が「こういったところが良かったよ」というフィードバックをすると、インサイドセールスもやりがいを感じられます。「自分の取ったアポがきちんと誰かの役に立った」という可視化がポイントです。

特に今はフルリモートで、インサイドセールス家にこもって電話を掛けています。そうなってくると、何が評価されて自分の活動がどう貢献しているか分からなくなってくる。それがモチベーションの低下やマンネリに繋がる。なので、逐一、スクショを取って共有したりだけでもモチベーションは上がりますよね。

吉武さん

そうですよね。賞賛の文化を作っていくということも重要ですよね。slackのスタンプや報告スレッドをつくってあげるとか。

釣田

重要!インサイドセールスって、成果が上がると喜ぶ、モチベーションも上がるからさっきのりき君が話してくれた「分業制」というところで、資料を何件送れたら、情報収集を5件取れたら褒めるなど、分業制で褒めるポイントを増やす、作っていくということも施策としてはできるかと。実際に取ったアポで「ここのヒアリングがめっちゃ良かった」など、しっかりと称賛してあげてモチベーションを上げてあげるのも大事だなと思います。

特にフルリモートでタイミングもすごく少ないので、インサイドセールスって、平均的にやめてしまっているケースも多いと聞きます。インサイドセールスを外注するケースも多いですが、内製でやる上では重要だなと思っています。

吉武さん

slackだったりの文面で感情面も現れると思っています。言葉遣いなどに今のモチベーションが現れる。そこをしっかりマネジメント側が察知して会話をすることが大事。そういった事象があったときはしっかりマネジメント内でも共有して対話をし、結果を共有することは意識しています。

釣田

なるほど。ありがとうございました。

まとめ


吉武さん

今回セミナーで改めてお話する中で、自分の中でも体系化することが出来ました。貴重な機会をありがとうございました。引き続き、自分の認識しているところを発信することで、みなさんへ共有することで自分自身が感じられた「営業を通じて豊かになれた」成功体験をより多くの方に感じていただけたらと思います。
本日は、最後までご視聴いただきありがとうございました。

釣田

◆アポは取れるが受注ができない
正しいKPI設計がわからない
なんとなくチームの空気感が悪い
インサイドセールスメンバーの意識があがらない


そんなお悩みの方にとって、日々の営業活動の一助になれば幸いです。
本コラムを最後までお読みいただき、ありがとうございました!

登壇者紹介


株式会社SALES ASSET
代表取締役社長

吉武 利起

中学から10年間ラグビーに熱中。中学では県選抜。高校では全国大会、大学では主将を務める。2020年に株式会社ネクストビートへ新卒入社。FY20目標達成率140%達成。個人タイトル取得。セールスギルド株式会社へ第一号社員で入社。営業組織の立ち上げ、プロジェクトマネジメントに従事し事業推進・仕組み化を担当。2022年株式会社SALES ASSET創業し、代表取締役社長として就任

株式会社RocketStarter
代表取締役社長

釣田 翔

通信企業に入社し、2,000人中トップ0.5%が入賞する社長表彰受賞。某IT企業にてBtoBマーケティング・インサイドセールス業務のディレクションを実施し、昨対比+316%(1,200万円→3,800万円)の受注を達成。セールスの全てのポジションを実践した経験からインサイドセールスこそが事業拡大の起爆剤になることができると確信を持ち、インサイドセールスと新規テレアポを軸に営業支援を行う会社を設立。代表取締役に就任

事業拡大を、最高速度で。