営業代行はなぜ失敗するのか
コラムのポイント
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発注前に考えること
- 電話機能提供型と、伴走型の違いや使い分けを理解する
- 商品(メリット、競合、代替品はあるのか、お客様は欲しい商品か)や背景(どんな会社か、成り立ち、何を目指しているか、どうしていきたいか)を考える
- 初回商談から契約をいただくまでのリードタイムを含めた設計が必要。外注単価とリードタイムを判断材料にする
- 期待値合わせの前の”現状把握”が大切
- 半年~1年、集中投資するという覚悟が必要
- 選択肢を並べて一番費用対効果がいい、理想的なものを選択するタイミングで営業代行を発注する
- 企業ごとのフェーズで選択肢のひとつとして、営業代行を活用いただくのがおすすめ
成果がでやすい商材
成果がでにくい商材
成果がでやすい発注元の環境
ウェビナー動画を見たい方へ
当記事は2022.9.29(木)ウェビナー内容をコラム化した内容です。
ウェビナーをYouTubeで公開しておりますのでコラムより動画を好まれる方は是非ご視聴ください。
執筆の想い丨営業代行での失敗をなくしたい
「営業代行で失敗したことがある」と不満を口にされるお客様は少なくありません。一方で「1年前倒して売上を3倍にできた」と言っていただけることもあり、営業代行をうまく活用して事業拡大を一気に加速できているお客様がいることも事実です。
今回は、営業代行で失敗する条件や成功するポイントを本音で包み隠さず議論していきます。
登壇者紹介
株式会社営業ハック
代表取締役社長
笹田 裕嗣
新卒1年目で社員数1000名を超える大手人材会社で営業成績トップとなり、3年目からは社内ベンチャー立ち上げに従事。その後、メガベンチャー ネオキャリアに転職し、広告営業を担当。その後、営業代行のサービスをおこなう個人事業主として独立。また、個人事業と並行して、WEBを活用したマーケティング支援をおこなう株式会社イノベーションハックのCOOにも就任。「代行事業」「研修事業」「コンサルティング事業」という3本の柱で、営業の現場・環境を変え、営業で悩む人を0にすべく、2018年4月に株式会社営業ハックを創業する。
セールスギルド株式会社
代表取締役社長
古瀬 貴大
2009年大学卒業後、スターティア株式会社へ入社、スターティアラボ株式会社(現クラウドサーカス株式会社)に配属。法人向けのソフトウェアの営業に7年間従事。配属1年で全社1位獲得、3年目でマネージャーを経験。その後ラクスル株式会社を経て、2019年に営業フリーランスで独立、2020年にセールスギルド株式会社を設立。「営業で自己実現」をビジョンとし、無料の営業コミュニティセールスギルドの運営、日本最大級の営業の大会S1グランプリの代表も兼任。営業で成果が出る人を増やすための取り組みに従事
通信企業に入社し、2,000人中トップ0.5%が入賞する社長表彰受賞。某IT企業にてBtoBマーケティング・インサイドセールス業務のディレクションを実施し、昨対比+316%(1,200万円→3,800万円)の受注を達成。セールスの全てのポジションを実践した経験からインサイドセールスこそが事業拡大の起爆剤になることができると確信を持ち、インサイドセールスと新規テレアポを軸に営業支援を行う会社を設立。代表取締役に就任
営業代行でなかなかうまくいかないサービス
さっそく笹田さんに質問したいのですが、営業代行やアポ獲得代行でなかなかうまくいかないサービス、向いていないサービスなどはありますでしょうか?
ありがとうございます!色々なパターンがあると思います。が、そもそも営業代行はなぜ失敗するのかというテーマの前に、御社の営業は成功していますか?ということも代行会社の利用検討の前に重要だと思っています。
というのも、あくまで代行なので、第三者であるという目線で考えたときに、「中の人ができていないことを外部の人がやり切れるかということは難しいよね」ということを大前提にとらえておかなくてはいけないですよね。
商材が尖っていて反応が出るものは売りやすい
我々は魔法使いではないので、営業という魔法を持っていて、「どんな商品でも我々は売っていきまっせ!」ということはやっぱり無理だよね、ということを思ったときに、営業代行で売りやすいサービスで言うと、シンプルに商材がとても尖っていて、「このトークでこの反応が出るということが分かっていて、あとは量をこなしていけばある程度の成果は見られますよね」という状態はやはり売りやすいです。
媒体などは差別化は難しいけれども、一定数、常にニーズが動く商材でもあるので、100件いったら1件は決まるよね、であれば100件毎日動かせる人を用意してほしい、という形での代行の依頼をいただくケースです。
ああー…(共感)
めちゃくちゃわかります!
協力体制のポイント
依頼企業と営業代行会社の協力体制は2パターン
- 依頼企業側でブランディングやマーケティングなど、営業すれば売れる状態を整えている”協力”
- 依頼企業と営業代行会社とで、話合いながら営業体制を作っていく”やりながらの協力体制”
また協力のポイントですが、最初から商品ができているか、ブランディングやマーケティングをやっている、だからやれば売れるという状態を作ってくれているか…これもある種営業サイドからすると”協力”だと思います。
一方で、これから営業を作っていかないといけないよねという段階であれば、ディスカッションしながら一緒に作っていきましょうね、という”やりながらの協力体制“という両軸があると思います。商品・サービスではなく、我々が営業をするにあたってご協力いただけますでしょうか?という点が結論になるかと思いますので…ご協力をお願いいたします!
お客様と協力体制が取れるかどうかが重要
ありがとうございます。「とりあえずこういった商品があります、じゃあ売ってください」という体制ではなくて「一緒に作っていきましょうね」という話ですよね。仰る通り、成果報酬や固定報酬などいろんな種類がありますが営業「代行」なのでお客様の営業部隊になるというイメージで。そこを切り離して、では後はとってきてください、というように何も協力体制がないとうまくいかないというのは、その通りだなと思いました。
伴走前に営業代行会社が理解を深めたいポイント
古瀬さんはその観点でいかがですか?
伴走前に営業代行会社が理解を深めたいポイント
- 商品(メリット、競合、代替品はあるのか、お客様は欲しい商品か)
- 背景(どんな会社か、成り立ち、何を目指しているか、どうしていきたいか)
- 今までの営業がどうだったか
めちゃくちゃあります!本当に「アポ何件取ってください、CPA(※顧客獲得単価)を2万円に抑えたいんです」みたいな、うちじゃないですねみたいな話になってしまいまして、結局伴走してくっていうところ、やるとなったらその会社に転職したっていう気持ちでやっていくので、色々商品のこと、背景、今までの営業がどうだったかと一緒にディスカッション議論をして…受注するまでに1ヶ月ぐらいかけます。更にやるとなってから「本当にやるの?」っていうのを詰める、お役に立てそうだったらやります。
商品のメリットは何で、競合があるのかないのかとか、代替品はあるのかとか、お客さんそれを欲しいのか、絶対に必要なのかとか、あったらいいなのか、あらゆるものを理解をして、その中でどちらかというと探っていくような動きが多いんですよね。
営業代行会社を選定するときもどれぐらいコミットしてくれるかというかブラックボックスにならないような関わり方してくれるかっていう観点は今結構大事ですよね。
確かに、確かに!
機能提供だけではなく、一緒に伴走する
機能提供型と伴走型の特性を理解した上での発注が重要
一般的な、業者的な営業代行会社と我々は違う部分もあるかなと。我々のような伴走型で会話しながら、考えればぜひ一緒にやりましょうっていう形の会社もあれば、一方でアポを取ることだけに専念して、受注取ってきてみたいな形の代行会社もあるので我々の感覚としてはリソース確保として使われたくないっていう思いはあります。
機能提供だけじゃなくってことですね。伴走しながら一緒に作っていくっていう思いは共通してますよね!我々は。
やっぱり使い分けですよね。その特性に応じて、めちゃくちゃ安く数やってますっていうところだったら、例えばアポイントが0.5%だけど1ヶ月に2000件かけますみたいな世界かもしれないですしね。
やっぱり安くて数いっぱいできますってところを使うときは、どちらかというと電話して名前を取りたいとか、資料送付のOKを取る、メアドを集める、そういうところだと親和性が高いですよね。
本当に1回もテレアポしたことないというところからやりたいという場合は危険というか、無理やりアポを取ってきてしまうケースも聞きますのでそういうところをマネジメントするような覚悟を持って発注はした方がいいかという気はします。失敗するとしたらそういうケースが多いですね 。
電話機能提供型と、伴走型の使い分け
電話機能提供型と、伴走型の使い分け
- 新しく市場を開拓する、より受注に近いアポを取ってほしいニーズ…伴走型
- アンケート、メールアドレスだけ取ってほしい、スポットの情報だけ電話で聞いてほしいニーズ…機能提供型
確かに。本当に電話するだけの機能のところと、簡単に言うと我々の伴走型と2種類を使い分けで、新しく市場を開拓するとかより受注に近いアポを取ってほしいニーズだったらおそらく我々の方が相性が良くて、アンケートのような、とりあえずメールアドレスだけ取ってほしいとか、こことここだけ聞いてください、みたいな電話だったら機能提供の方が相性がいいんじゃないか、みたいなところですかね!なるほど。
ありがとうございます。ちなみに先ほどの協力体制っていう部分なんですけど定量的に発注元はだいたい何名ぐらいとか、どういった協力体制が理想みたいになというのは、ありますか?
受けている状態でいくと結構まちまちですね。
社長が最初からもう入り込んでこの社長を含めて3人ぐらいで一緒にディスカッションしながらやらせていただくケースもあれば、ミーティングめっちゃいるなみたいな、こちら2名に対して相手10名みたいな形で、それはそれでやりづらいんですけど(笑)
10人ご参加いただく時っていうのはフィードバックの視点は色々もらえるっていうありがたみはある一方で、ただ散らかるみたいなケースも。
このあたりは最終的にどこを目指していくかっていうところのゴール設定が、期待値合わせみたいなところで、そこに向かっていきましょうっていう取り決めができて、それが時間の経過とともに劣化、風化しないお客さんであれば、規模感はそこまで意識しなくても良いのかなっていう感覚はあります。
発注元が活用しやすい営業力
アウトバウンドの営業(プッシュ営業)の経験があるとやりやすい
確かに、そうですね!ありがとうございます。
古瀬さん、発注元の営業力っていうところで失敗しやすい状況っていうのがあれば教えてもらえますか ?どれぐらいの営業力があれば、もしくはどういうことで営業体制まであれば、うまく活用できるか?
そうですね、基本はアウトバウンド…要はプッシュ営業の営業経験があるとやりやすいですよね。ない場合は、ちゃんと理解をしていただかないと、これも期待値にもかかってくるんですけど、結構厳しいなというのがあって。
商材とか、会社の規模とかターゲットとかによってだいぶ変わるですけど。前提を理解してもらって、商材のやり方自体もお客さんのどんな会社で、どんな成り立ちで、何を目指していて、そのために この事業をやっていて、今の営業はどんな状況で、どうしていきたいけど、今できていない。人がいないのか?ノウハウがないのか?経験がないのか?の中で、アウトバウンドが必要なんです、だったら…みたいな。
アウトバウンド用の営業の重要性
アウトバウンド用の営業を考えながら、すり合わせて始めるのが理想
そういう会社の状況と問題課題とかよく把握しましょう、みたいなヒアリング重視の商談をしなきゃいけないんですね、アウトバウンドって。わかってないといくらアポ取っても受注しないで「アポ取ってるのに」ってこちらとしてはなっちゃうんですけどでも、アポが悪いって話にもなっちゃうので、そこの期待値のすり合わせやアウトバウンドの営業ってなんぞやってところの共通認識がないと結構きつい…それは営業力って言い換えれば言えるかもしれないです。
確かに、アウトバンド用の営業を作るっていう取り組みが欲しいということですね。
そうですね。やっぱり最終は受注なんですよね。我々はアポを取るんですけど、アポ100件とっても「初めまして、こんにちは」ってやって紹介するだけだと、もう100件中1件売れたらラッキー、ちょうど良かったって人が引っかかったらしか売れないと思うんですよね。あと多分、期待値に合わないですよね。
やり方をちゃんと理解してもらって、分からない場合は教えて差し上げて、理解した上でじゃあ3ヶ月、半年、1年かけてどういうアポだったらアウトバンドで売りやすいのかどういう商談のやり方をしたら、受注率が上がっていくのかを一緒に考えながらやっていきましょう、っていうのをすり合わせて始まらないと結構きついなと思います。
完全に新規のリストだとだいたい(サービスや状況にもよりますが)受注率が5%~10%とかは覚悟しないといけないとは思いますよね。
スーパー営業マンがいれば別ですよ!
どんなアポでもこの業界だったら30%(受注できます!)みたいな方がいるならもう楽ですよね。(そうなれば)とにかくアポとればいいやっていう感じです。
受注率の期待値
費用対効果を鑑みて、営業代行に発注するか判断が必要
受注率の期待値って、営業代行を発注する際の費用対効果にも結構かかってくるところかなと思っています。
そうですね!
「受注率50%のアポイントが欲しいです」って言われる事も結構あるんですけど、多分そこの費用対効果で考えてしまうと、もうかなりずれてしまうと思う。それこそ5%~10%ぐらいっていうところで本当に営業代行に発注していいかっていう、そこは一つ判断してほしいところですね。
リードタイムについて
初回商談から契約をいただくまでのリードタイムを含めた設計が必要
リードタイムもありますよね!
そうですね!
結局入り口で変わってくる部分って成約率と、その初回商談から契約をいただくまでのリードタイムの期間が 「初めましてこんにちは」からいきなり100万払いますとは当然ならないので。
その部分の検討期間が、普通にアポするといつもその場で受注をもらえてますけどみたいなケースがよく起こってます。なので、全然反応悪いんだけど…みたいなこと言われた時にこちらからすれば、「追客して受注取っていただきたい」みたいなところがありつつも、追客っていう概念がないみたいなところは、例えば営業力としてアウトバンドの目線で考えたことないっていう前提だったんですね。このあたりの設計をちゃんとやっておかないとアポ量産、結果忙しくなって売上増えないってことはよくありますよね。
リードタイムについて
単価とリードタイムを判断材料にする
最初に向いてないサービスありますかって話があったじゃないですか。単価が安いものですね、やっぱり。
一アポを取るのに1人がやっぱかけられて100件なんですよ。で、法人向けでちゃんと履歴残しながら追客しながらやったら7~80件ぐらいに落ちちゃう。toC向けでガンガン200件かけるのとはまた違うので。1日頑張ってアポ率1%超えたぐらいで1日1件取れるかどうかの世界じゃないですか。
そうなってくる時に、単価が安いものとかだとやっぱ合わないですよねっていうのが非常にありますよね。1件アポ獲得するのに人件費と考えると3万から5万ぐらい覚悟してもらわないといけないので、例えば1アポ5万円ですよねってなっていった時に、10件商談して1件決まって、その1件で費用対効果の出る金額感じゃないと、そこはやっぱり検討の余地があるなと思います。
あとはさっきの、リードタイムにかかってくるんですけどじゃあ1億円ってなった時に営業期間1年半ですみたいな世界になるので、期間とかの期待値の握り、接点を持って、その接点から何回も商談して、みたいなリードタイムもちゃんと視野に入れてもう1年間投資で1回も受注しないけど、その代わり案件50件作るのが目標です、みたいな握り方をしないと多分無理だなっていうのはありますよね。
なるほど!ありがとうございます。単価とリードタイムみたいなところですよね。
投資になるかなと思います、アウトバウンドは。
確かにそうですね。単価はすごく分かりやすくて、費用対効果もイメージしやすいですけど、リードタイムって抜け落ちやすいポイントだったりすると思ってまして。やっぱりこうセミナーのインバウンドのリードと完全シンプルのリードは全く別物って考えてもらった方がいいと。
セミナーである程度信頼されている状態で営業するのと、完全新規で営業するのって本当別の営業力なので、そこはしっかり分けて考えてもらった方がいいなと思いました。
営業体力、営業持久力
営業体力、営業持久力が伴っていることも重要
営業力も単体で考えられないですよね。その営業能力の部分で考えた時に受注できますかとか、アポ取れますか?商談回せますか?っていうのと、確かにリードタイムで行くと営業の体力的な部分があって。
体力!なるほど。
これ めっちゃわかります!
そこまで1年後に追い切れるかっていうのが、気力体力も含めてありますか?と。
営業体力ってなんかいいですね!営業持久力上げようみたいな。
個人でもあれば組織としてもありますもんね。
自社の営業を把握してないケースが圧倒的に多い
期待値合わせの前の”現状把握”が大切
まさに次の営業代行への期待値のズレのテーマとも密接部分なので、このままお話を聞きたいのですけど、1週間、2週間で受注できると思ってたっていう感覚と、3ヶ月かかるっていうのは、本当に持久力とか結構期待と異なってくるので。そこってすごいずれやすいポイントですし、またやり方も全然違いますよね。
期待値合わせる前にそもそも相手側が自社の営業を把握してないケースが圧倒的に多いんですよね。リードタイムは顕著ですよね。
「御社って商談してからどれぐらいの受注をお客様からいただけてますか?」
「昨日はなんか先週会ったお客さん受注くれたんだよね…」
っていうイレギュラーをあたかも全ての事象のようにお話いただいて、他の営業さんにちょっと聞いてみますねとやると、「うちの商材の役所向けなんで年に1回の受注タイミングで逃すと年間で仕事ないんですけど」と後からぽろっと聞いたりすると。
我々からするとどう営業するかみたいなところから考えるのですけど。期待値調整の前に、先方の営業状況の把握がありそれに対して外注であり、我々が動いた時にどこまでできるかみたいなところのすり合わせがあってやっと外出しましょうか、外注で…みたいな形になるんですね。
確かに、確かに。
期待値合わせの前の現状把握って大事だなと自分で話しながら思いました。
営業代行の期待値のずれについて
半年~1年、集中投資するという覚悟が必要
なるほど。いや確かにそうですよね。多分そこまで把握して初めて営業のアウトソーシングや代行は有効活用できるかが見えてくるかなと思います。古瀬さんも、営業代行の期待値のずれみたいなところ、いかがですか?
そうですね。受注率とかアポ率とかで一般的に1%から3%ぐらいみたいなところですけど、立ち上げの時とかって仮説を検証していくしかないんでうまくいかない時って初月0.5%しかアポ取れないことも。でもそれを踏まえて、ターゲット変えたり、トーク変えたり、追い方変えたりしながら1%、1.5%で3ヶ月ぐらいかけてちょっとづつブラッシュアップしていくケースもある。アウトバンドのテレアポの業種業態ごとに違うものの、人が動いてるので正直コミットできないですよね。
動くことはコミットできるんですけど。なので、幅をちゃんとお伝えして、ただまずは1%を目指しますから1.5%、2%、3%を目指すためにっていうそんなった時に…期間ですね。短期間でもう完成すると思ってる場合は、結構大きなズレが出ると思っていて、どれだけボリューム張るかによるんですよね。
1、2か月かけて成果が出るかというと絶対無理ですよね。半年とか1年ぐらい集中投資するっていう覚悟を持ってもらえると擦り合わせしやすいかなという風に思います。
そうですね、「はい1ヶ月で」 は、何も得ずに終わってしまう…
いやぁ、1ヶ月は無理ですね。本当に3ヶ月でも、やってみてどうだったかがわかるぐらいででそっから改善して、残り半年とかでグッと勝ちパターンが型化されていく。そういう風に思ってるんで、そこの期間みたいなところですね。確率と期間みたいなところの期待値は、ずれちゃうと結構続かないというか。
質問丨期待値合わせや現状把握で引き受けない確率は?
SNSで既に期待値をすでに把握済みのケース(笹田氏)
- 10件ご相談いただく中で5~6件ぐらい受注
- SNSや配信で会社の期待値を依頼企業側がすでに把握しているケースが多い
- できること、できないこと、考えてることが依頼企業と合致しているのが前提
- 試行錯誤も一緒にやらせてもらえる関係性がベスト
なるほど。今質問が来てまして。お二人にお伺いしたいんですが、「営業代行のニーズも多くあると思います。期待値合わせとか現状把握で、落ちていく、引き受けなかった案件があると思いますが、実際に何%引き受ける、引き受けられるんでしょうか?」という質問ですね。なんで引き受けたか、何で引き受けなかったか?も含めて教えていただきたいです。
じゃあ私から。今まで10件ご相談いただいて5~6件ぐらい受けてるんじゃないかなと思います。もともとの入り口が基本的にYouTube見てますとかTwitter見てます、ブログ見てますと言ってくれる方が多いですね!
それめちゃくちゃいいですね!出来上がってるんだ。
そうですね、期待値合わせをする時に、結局我々でできること、できないこととか考えてることがずれてるとそもそも営業って機能しないと思うんで、そのあたりを理解いただいて上でのご相談っていうところと、最初からある程度の期間を持ってのご依頼をいただけているので皆さんさっき言っていただいたような期間の中で、まずは伸ばして改善していきましょうみたいな話が1つ。
もう1個、期待値で起こるっていうのが1回軌道に乗ると永遠に右肩上がりなんでしょ、営業のプロはみたいな形の誤解がされるケースあるんですけど。いやリストが…そもそも御社が今狙ってターゲットしたアプローチしたい顧客群の主ターゲットが300社しかなかったら、そこ当たりきったら少しずつターゲットずらして反応が落ちるけれどもと。マーケットのπを広げていかなきゃいけないので、マーケットが増える分反応率は落ちますということを理解いただいて、じゃあこの伸び率が最初ガッて上がったあとに停滞期もある…
ダイエットと一緒ですね、そのあたりの試行錯誤も一緒にやらせてもらえる前提だと…やっぱり長いお付き合いになるんで。そこまで話して受けるみたいな形がある程度YouTubeとブログでできているから、比較的多く受けさせていただいているのだと思います。
ありがとうございます。古瀬さん、どうですか?
気軽に壁打ち相談からも受けているケース(古瀬氏)
- 相談を受けてから始まるのは1/10に満たない
- すり合わせがきちんとできない状態だと始められない
- 伴走していく中での協力体制やイメージが湧くのが前提
- 確信に近いタイミングで引き受ける
私の場合は結構気軽に、壁打ち相談とか来るんですよね。紹介とか SNSから相談受けてから始まるのは1/10に満たないって感じですね。週に2~3人相談に乗っているんですけど3 ヶ月に1回とかしか新規始めないですね。それは色々事情があるのはあるんですけどやっぱり期待値が合わなかったと。金額もあるし、来月からとか2週間後から始めたいとか、こっちも理解してないで受けちゃうと結構きついですよね。
リソース確保とか、諸々あるんですけどそのすり合わせがちゃんとできないと始められない、したくないなとは思っています。あとはその我々の動き方ですよね。伴走してやっていく、お互い協力し合いながら動くみたいなところがちゃんとできそうかとか、この商品を渡された時になんかできるイメージがつくかっていうところも結構大事にしていて。
こういうところにこういう課題がありそうだからこういうぐらいやれば、こんぐらいの確率が過去の経験から出そうだな、ちょっと出るかわかんないですけどそれを目指して、こういう動きでダメだったら次、こういう動きダメだったら次こういう動きをやればまあ最低このぐらいは行くよね、まあ1%とかは出るよねとか1.5%出るよねみたいなのが思えないと受けないので…そこが受ける、受けないかのラインですね。
確信が持てるタイミングで引き受けるっていうのはすごいわかるなって思います。
そうですね。確信は持ちきれはしないんですけど、やっぱり人の商材を売るとか難しいんですよね。その商品が興味持ちそうな人は想像はつくんで、それはより具体的に想像ができるかとか母数がどれだけあるのかと。例えば世の中に1000社しかないところに3ヶ月で何アポ取ってくれみたいな話とかになると1ヶ月で終わっちゃう。
そこ以外はもういらないんだったら本当に合わないですし。その辺はすり合わせしたいなという感じですね.。
商材が最先端すぎるケース(笹田氏、釣田)
- 受注になりずらい最先端の商材は、今後のお付き合いを鑑みてお断りする場合もある
- 買い手のイメージが持てない商材の場合はあまり受けない
- なんちゃってAIだと訴求力がない
僕の中で引き受けなかったのは何かなって考えた時に、一つが商材自体も最先端の商材、AIですとか、まだちょっと先すぎる商材に関してはアポは担当者の方は興味持ってくれて取れるんですけど、受注にならないというケースが…。
そこで結局受注がなかったらお客さんと長く続かないっていう意味でお断りしたり、そのあたりの正直に伝えるって事はあったんですけど。お二人の中で具体的にこういうサービスとかさきほどの協力体制とか、そういうのがあったとか、その観点でありますか?
そうですね。AI 商材=受けないってわけじゃないんですけど、AIって聞いた瞬間に私は警戒しますって話を古瀬さんとしていました。
理由が2つあってさっきの最先端すぎてしまうっていうところは、最先端で理解してくれてお金払ってでも使おうっていう人がそもそもいるのかみたいな発想は常に持つなと思った時に、結局買い手のイメージが持てない商材ってあまり受けないですというところが一番大きいですね。
もう一つはなんちゃってAIだと訴求力ないんですね。お客さんが選ぶ理由が別にないじゃん、みたいな。結局今の世の中って全てが私はリプレイスという前提で営業をかけていて、何と切り替えに行くの?みたいなこととか、それ本当に切り替わってんの?みたいなことが見えない時は、営業をしても自分がやってる満足感がないみたいなところもあるので、そういう目線で考えた時にはひとつは、今わかりやすくAIということをベースでお話しさせてもらいましたが、そういう視点・観点で考えてますという回答でございますが…。
古瀬さんも是非!
ありがとうございます。そうですね…。
うちの場合は差別化がないものはやっぱしにくいなと思っていて。例えばネット回線とか携帯電話とかですね。コスト下がりますとか、ちょろっと下がるとかはあるとは思うんですけど。本当にちょうど良かったって人を探す宝探しすぎるので技術的なものっていらないかなと思ってて。
確かに!
成功イメージが湧かない場合は受注しない
- 商材に差別化がないもの
- あまり経験やノウハウがない領域の商材
- 店舗系
とにかく大量に架電する、だったら多分値段が合わないんですよね。超格安会社で1コール100円ですってところで言うとうち3倍から5倍ぐらい…もっとかかるかもしれないですね、ぐらいの金額感なので。コンサルティングとか伴走しながら作っていくっていうことをやってるので、数で運が必要みたいなところだとまず合わないですかね。
もう1個は、私自身があまり経験がない領域、例えばtoCのテレアポ。BtoBtoCもあまりやってないです。
あとは、店舗系ですね。コールで飲食店が店舗にかけていくとかだったら忙しい時間とか、かかる時間とよくわかってないので、どちらかというと店舗が10店舗以上で本部があって受付がいて、担当者がそこにいて、会社の中にその機能があってみたいなところだったら多分受けると思うんですけど 。ノウハウがない領域とかだとイメージが湧かないので受けないですかね。
なるほど、成功イメージがやっぱり湧かない?
そうですね。そういうのは代理店とかの方がいいかもしれないですよね!勝ちパターン決まってるとは思うので、数かけて安くしたいとか、ちょうどよかった人を見つけて安くなります、決まりますみたいな、そういうのはありますよね。電話でクロージングまでする。
質問回答丨期待値合わせや現状把握で引き受けない確率は?
選択肢を並べて一番費用対効果がいい、理想的なものを選択するタイミングで営業代行を発注する
なるほど、ありがとうございます。
さっき笹田さんのお話で今市場の検証するタイミングっていう話になったと思うんですけど、我々のような営業代行を発注するタイミング、土台はどういったものが目安になりますか?
どうなんですかね。結局さっきの売れることがわかった話でいくと、売れる自分の中での確証、勝ちパターンが持ているけど内製化だと採用するのに3ヶ月かかっちゃう、外注だったら一旦来月からはスタートできそうだからそっちのお願いしよう、みたいなケースの発注パターンもある。検証するのも基本的に社内でやった方がいいのはわかってるけど、うちみたいな中小零細企業の人集まんないからこのヒアリングが取材の電話も外注でお願いしなきゃいけない、みたいなケースもあると思って。
なるほど。
多分、このタイミングで代行するといいですよっていうのってあまりないと思っています。極論自分たちで全部中でやれた方が理想じゃないですか。一方でコストの悪い分配がとか採用の問題がみたいなところで我々使えるので選択肢押し並べてくださいと。
自社採用で採用の目線、内部の営業のリソースで我々のような代行会社ABCみたいなところがあったと。どれがベストですかねみたいなことの会話の中で、中の人は無理だな、採用はまだ半年かかりますけど3ヶ月以内にある程度この商材の目星たてたいよね、みたいなケースでいけば、じゃあ、我々まず2ヶ月間お手伝いしますね、再来月から…みたいなケースもできるので。
どちらかというと、選択肢の洗い出しの中でどれ選ぶかみたいな会話が大事だなっていう感じがします。
ありがとうございます。確かによく仰られるのが、今リソースが不足してるとか、採用とか時間がかかるんですですけど事業拡大のスピードを加速させたいタイミングで営業代行を選択する方がいらっしゃるので、もしかしたら1回並べてもらって一番費用対効果がいい、理想的なものを選択するタイミングがベストなのかもしれませんね。
ですね。結局営業代行って手段でしかないので、その手段に踊らされないようにこの手段、武器を一番良いタイミングで出すのはどこでしょうか、みたいなね、そこが大事かな。
営業代行で失敗した事例
差別化が値段だけだときびしい
なるほど、ありがとうございます!
テーマのところで営業代行の期待値のズレに戻るんですけど、古瀬さんから他にこういうところでうまくいかなかったとか、失敗したみたいなことはありますか?
アウトバウンドの商談のやり方をしっかりと確認しなかったことがあって。大きい会社じゃないんですけれども15年とかやってる会社さんで、飲食店のクーラーを分解して洗浄するっていうアポ取りをやったんですよね。飲食店はちょっとコロナで厳しい、スーパーマーケットを狙いたいみたいな。
スーパーマーケットは1店舗の中にいっぱいあるんですよ。1個交換すると2万とかで、ただ安いとこは1万5000円とかやってて。でもそれだと利益出ないって差別化要因がほぼなくてですね。わかんなかったんで当時受けちゃったんですよ。で結論アポは入ったんですよ。スーパーマーケットって規模感例えば10店舗以上とかやったら300リストぐらいはあるんですね。そこから何十ってアポ取ったんですよ。
なるほど。
取ったんですけど、全然受注できなくて。なぜかというと差別化が値段だけなんですよね。なので結構厳しくて。あとは商談も20件ぐらいアポ振って、結果見たら1件も案件化していない、次回ステップがないですみたいな話で、えってなって。1回同席させていただいたら「はじめまして。私はこういう会社でこういうことができるんです、いくらですどうですか」で開始10分で終わってて 。
ありますよね、それ(笑)
相手が社長さんだったんで。確認漏れちゃってたんですね。やっぱり紹介で売れてたんでアウトバンドの商談をしなきゃいけないので、○○だったらこういうことをやってるんですけど、今の状況どうですかってお伺いしながら、不満とか不安をうちだったらそこクリアできますよって流れを作っとかなきゃいけなかったんですよね。
これを最初にちょっとやることができなかったので1~2ヶ月経ってからアポを取れども取れども、「どうですか」「いや全然」みたいに起こってしまったことがありました。
営業代行で失敗しないために
営業力や、アウトバンド用の営業を作る部分も含めてご相談を!
発注側が受注ができないと、営業ってアウトソースしてても長く続かないっていうのはあると思っていて。営業力、アウトバンド用の営業を作るっていう話だと思うんですけど、そこも併せて相談いただいた方がいいですね。お願いしますというより、今我々こういう営業の体制でやってるんですけど、中はどうですか?みたいな話を営業代行会社に相談をして、そのやり方がわかれば我々営業代行側もリストの作り方とかトークの作り方とか変わってくるじゃないですか。
ヒアリングのタイプも完全なテレアポの部隊と、営業部隊っていうところを一気通貫で連携できる仕組みがあれば多分、ガッと受注率も上がるんじゃないかなと思います。
そうですね。なのでそれをちゃんと理解させていただく時間とか、擦り合わせる時間をとった上で始めるというか。あと後ろの工程とかもこちらでもに教えてもらってもっとこうした方がいいんじゃないかとか、こういう期待値を持ってくださいねっていうのを持った上でスタートすると、うまくいきやすい。
ダメだった時にじゃあこうしようね、ああしようねっていう建設的な話にお互いできるのでそうじゃないと「20件って言ったじゃん」みたいな。「なんで、足りないじゃん」みたいな話になっちゃうので会話ができなくなっちゃうんですよね。「なるほど。ありがとうございます、そうですね、あのーいや、はい、まぁ、頑張ります…」みたいな。
営業代行は1つの手段
企業ごとのフェーズで選択肢のひとつとして、営業代行を活用いただくのがおすすめ
確かに。ありがとうございます。とはいってもやっぱり営業代行って10社あれば、支援のやり方は10社バラバラですよね。ここを一社一社相談しながら作っていくっていう、正解のないサービスだと思うので今回はこういった失敗が多いですみたいなこうやったら成功しますくっていうお話をさせてもらったんですけど、ぜひ相談していただいてより良いチームを作っていけるかなと思うので。うちの会社ダメなんだなって思わずにぜひご相談いただければなと思っております。
最後に、お二人からメッセージ、営業代行についてなにかいただければと思いますが、古瀬さんからいいですか?
はい、ありがとうございます。営業代行に限らず営業っていうところを、色々な動き方もありますから、何を目指してそのために、いつまでにどういう状況に作りたいかって理想を持って、その中の手段として中でやる、外でやる、どちらも使う。その時にどういう風に運用していくどういう期待値でそれに向かっていくのかっていうのを、自分たちでぜひ考えてみていただきたいのと。
あとは相談する相手を、詳しい人であればちゃんと議論して頭を同化させるところが非常に重要になってくるかなと思います。今回の話で、我々結構好き勝手に言わせていただいたんですけど、この3人の中で相談してもいいなと思う人がいたら気軽に聞いていただきたいなと思います。
ありがとうございます。最後に笹田さんお願いします !
はいありがとうございます!ご静聴いただきありがとうございました。好き勝手楽しくお話ができた回でしたというところで、学びや気づきになればというところありますが、営業代行は1つの手段でしかないというところと、もっと言うと営業も手段でしかないと思っているので…営業しなくても売れる商材も世の中にあります。
例えば、広告だけで回せるPCサイトで回して売り上げが作れるって商材もあるので、このあたりは自分が使っているプロダクト、そして商品を届けたい相手に対してどういう届け方がベストなのかっていうところからまず考えていただいた上で、じゃあ自分たちにできるのか?外にお願いした方がいいか?じゃあ自分たちに何でできないのかっていうところを落とし込んでもらった時に、我々のような外注を使うっていう選択肢になってくるのかなと。
この世の中が営業代行・外注っていうところに対して抵抗感をなくなったっていうのは大きなメリットと思っているので、うまく手段の使い分けをしていただけると。改めて御社の事業が伸びていくきっかけであったり、選択肢が増えてより良くビジネスが回せる状態になるかと思いますので、そういったお手伝いができたら嬉しいなと、気軽にご相談いただければと思っております。今後ともぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございます。
営業代行は、1つの手段でしかない
ありがとうございます。おっしゃる通りですね。我々3社バチバチの競合他社なんですよね、実は。営業代行を選んでいただくためには、失敗しないでほしいとか成功してほしいと思いしかないので。ご相談いただくだけでも色々な気づきがあるのかなと思うので、またタイミング見てご連絡いただければと思います!
それでは、本日の「営業代行はなぜ失敗するのか」というテーマのセミナーを終了させていただきます。ご清聴いただきましてありがとうございました。
事業拡大を、最高速度で。