「働き方改革のために在宅で営業をしたい」「営業部も感染症対策したい」と考える人が増えています。
営業は顧客の元を訪問するものですが、実は完全在宅で行うことも可能なのです。
とは言え、「取り入れるのは難しそう」「メリットデメリットを知ってから判断したい」という人もいるでしょう。
そこでこの記事では、在宅で営業を行うことのメリットデメリットを会社側と社員側の両方から紹介します。
在宅勤務を取り入れるべきかどうか考えながら読んでみてください。
また、在宅勤務を取り入れるために必要なもの3つも紹介しますので、導入方法もまとめて理解できます。
ぜひ、最後までお読みください。
営業職の在宅勤務が増えている
「営業職は在宅勤務できないだろう」というのが少し前までの常識でした。
しかし、現在では働き方改革や感染症対策として、営業職の在宅勤務を取り入れる企業が増えています。
働く側も自由な働き方や感染リスクの低い働き方を求めています。
社会の変化に適応して在宅勤務を取り入れなければ、人材不足に陥る危険性さえもあるのです。
会社の体制を大きく変えるのは大変なことですが、いずれ変化が必要になってくるので、早めに対処して他企業と差をつけましょう。
営業を在宅勤務で行う社員側のメリット3つ
続いて、営業を在宅勤務で行う社員側のメリットを紹介していきます。
メリットは3つあります。
- 通勤が不要になる
- 自由な時間が増える
- 人付き合いが楽になる
社員側のメリットを理解しておけば、在宅勤務を取り入れた時に、魅力的な求人情報を出せるでしょう。
営業職は離職率が高い仕事でもありますので、人材確保の対策として知っておいてください。
営業マンをしている人であれば、メリットを知っておくことで、在宅勤務体制のある会社に行くかどうかの判断ができるでしょう。
今勤めている会社の体制に不満がある場合には、ぜひ、確認しておいてください。
営業を在宅勤務で行う社員側のメリット①通勤が不要になる
家にいながら仕事ができるため、通勤する必要がなくなります。
少し遅めに起きても仕事に間に合いますし、仕事が遅くなっても仕事が終わればすぐくつろげるでしょう。
また、満員電車で窮屈な思いをする必要もありませんし、電車の遅延などで慌てることもなくなります。
とくに、家と会社が遠い人は、通勤がなくなるだけでかなり自由度がアップします。
朝が弱い人や家と会社が遠い人、通勤がストレスに感じている人は、在宅勤務するとよいかもしれません。
営業を在宅勤務で行う社員側のメリット②自由な時間が増える
在宅勤務になると、通勤時間も必要ありませんし、昼休みも付き合いを気にすることなく自由に過ごせます。
朝起きてから布団を干して昼休みにしまったり、昼休みは料理をして出来立ての昼食を取ったりなど、あなた好みに過ごせます。
「仕事をバリバリ頑張って稼ぎまくるよりも、ライフワークバランスを大事にしたい」という人は、在宅勤務がおすすめです。
営業を在宅勤務で行う社員側のメリット③人付き合いが楽になる
在宅勤務の場合、チャットツールなどを使ってコミュニケーションを取るため、社内の人付き合いが楽になります。
誰かを見かけると話しかけたくなるものですが、在宅勤務は基本的に誰とも会わないので、業務連絡以外の会話が生まれにくいのです。
- 営業用の資料を作っている最中に、話しかけられて集中が切れてしまう
- 上司の必要以上な叱責に時間と気力を奪われる
- 無駄な世間話に付き合わなければいけない
在宅勤務になれば、以上3つのようなことから解放されるでしょう。
「人付き合いが嫌い」「仕事の邪魔をされたくない」という人は、在宅勤務に切り替えると快適に仕事ができるので、おすすめです。
営業を在宅勤務で行う会社側のメリット3つ
前章では、社員側のメリットを3つ紹介しました。
続いて、在宅勤務で営業を行う会社側のメリットを3つ紹介します。
- 人材の確保ができる
- コスト削減につながる
- 勤務時間を顧客の対応に使える
体制を変える労力に気を取られがちですが、在宅勤務の導入は会社側にもメリットがあります。
メリットを理解すれば、在宅勤務を取り入れる企業が増えている理由を理解できるでしょう。
あなたの会社にも取り入れるべきかどうか、考えながら読んでみてください。
営業を在宅勤務で行う会社側のメリット①人材の確保ができる
今の若い世代は、プライベートを大事にできる自由な働き方を望んでいる人が多いです。
会社の打ち上げや飲み会などのイベントに意欲を見せないのも、仕事よりもプライベートを大切にしたい価値観の現れでしょう。
「仕事への意欲が足りない」「最近の若者はだらしない」と感じるかもしれませんが、これから社会を支えていくのは若い世代です。
若い世代が会社に来てくれなければ、会社を存続させることもできません。
人材確保に悩んでいる場合には、在宅勤務を取り入れて、自由な働き方ができることをアピールするとよいでしょう。
在宅勤務を取り入れる企業は増えていますが、全体数で言えばまだまだ少ないです。
取り入れるのが早ければ早いほど、競合が少ないので、取り入れる場合には早めの対処をおすすめします。
営業を在宅勤務で行う会社側のメリット②コスト削減につながる
在宅勤務化すると、業務にかかるコストを大幅に削減できます。
削減できるコストは以下のようなものがあります。
- 業務委託なら社会保険料がいらない
- オフィス縮小で家賃が安く済む
- 通勤定期代がいらない
- 管理職の人件費が減る
在宅勤務であれば、業務委託も可能なので、社員の社会保険料などを支払う必要もありません。
また、仕事の進捗などは個別にチャットで管理できるため、中間管理職がいなくても仕事が回る可能性もあります。
部下の仕事にいちゃもんをつけたり、上司への報告をしたりして勤務時間を過ごしているような中間管理職は、在宅勤務においては不要でしょう。
厳しく聞こえるかもしれませんが、在宅勤務においては自然と、残業するなどの勤務態度は評価の対象外になります。
そのため、部下からの信頼は薄いのに上司の機嫌を取るのが上手なだけの人は、評価が著しく下がるのです。
現場に出る営業マンとして契約し直したり、勤務日を減らしたりなどの対応をすれば、人件費を削減できます。
コストが低ければ、成約数が少なくても十分な利益を得られます。
経営を安定させたい場合には、在宅勤務を取り入れてコスト削減を徹底的に行ってみてください。
営業を在宅勤務で行う会社側のメリット③勤務時間を顧客の対応に使える
営業マンは営業先に出向く必要がなくなるため、今までと変わらない勤務時間でも、対応できる案件数が増えます。
会社からすれば、社員に直接利益を出す仕事に集中してもらえるため、費用対効果が高いのです。
対応できる案件数が増えれば、自然と成約数も増えていくでしょう。
とは言え、そもそも案件が獲得できなければ、このメリットを享受できません。
テレアポを強化する、インバウンドセールスを行うなどして、営業先の確保をサポートするとよいでしょう。
営業を在宅勤務で行う社員側のデメリット4つ
ここまで、営業を在宅勤務で行うメリットを、会社側と社員側の両側面からお伝えしました。
「在宅勤務をしたい」「会社に取り入れたい」と感じた人も多いでしょう。
とは言え、在宅勤務にもデメリットがあるため、注意が必要です。
まずは、社員側のデメリットを4つ紹介します。
- 仲間と話しづらい
- 家族の理解が必要になる
- 勤務態度が評価につながらない
- モチベーションの維持が難しい
世の中の流れとして在宅勤務化が進んでいますが、人によっては在宅勤務に向かない場合もあります。
在宅勤務があなたの性格に合うかどうか、確認しながら読んでみてください。
会社を運営している立場である人は、社員がどのような壁にぶつかりやすいの理解しておくことで、適切なサポートができます。
業績を伸ばしていくためにも、社員が快適に仕事ができるように何をサポートすべきなのかを明確にしておきましょう。
営業を在宅勤務で行う社員側のデメリット①仲間と話しづらい
在宅勤務では同僚などと話がしづらく、みんなでワイワイ過ごすのが好きな人からすると、少し息苦しさを感じるかもしれません。
業務連絡だけでなく、雑談する仲間を作りたいと思っても、在宅勤務ではなかなか難しいでしょう。
チームで団結して仕事したい、気心の知れた仲間と仕事をしたいと感じている人は、在宅勤務に向かないかもしれません。
営業を在宅勤務で行う社員側のデメリット②家族の理解が必要になる
在宅勤務では、自宅に仕事用のスペースを作らなければいけません。
一人暮らしであれば問題ありませんが、家族がいる場合には家族からの理解が必要でしょう。
また、顧客との商談などでビデオ通話することもあるため、静かな環境が必要です。
家が集合住宅で隣住民の生活音がうるさかったり、壁が薄くて声を張ると近所迷惑になったりしてしまうのは大きな問題です。
自宅では仕事に集中できず、レンタルオフィスを借りて通勤するなど、本末転倒な事態となってしまいます。
あなたの住環境が、在宅勤務に適しているかどうか考えてみましょう。
営業を在宅勤務で行う社員側のデメリット③勤務態度が評価につながらない
在宅勤務では、基本的に仕事仲間と顔を合わせることがないので、勤務態度が評価につながりません。
遅くまで残業して頑張っても、評価につながらないため、営業で成約が取れない人にとってはなかなか厳しいでしょう。
雑談で上司の愚痴を聞いたり、自分の仕事ぶりをアピールしたりして評価を保ってきた人は、在宅勤務に向かないかもしれません。
営業を在宅勤務で行う社員側のデメリット④モチベーションの維持が難しい
在宅勤務では、業務連絡以外に会社の仲間と会話する機会がとても少ないです。
そのため、「あいつも頑張っているから自分も頑張ろう」などと思いづらく、仕事に対するモチベーション維持が難しいです。
自分でモチベーションを保つのが苦手な人は、在宅勤務は辛いかもしれません。
同僚などに連絡をとって、仕事終わりに会話する時間を作る、セミナーに参加するなどの工夫をしましょう。
営業を在宅勤務で行う会社側のデメリット3つ
続いて、在宅で営業を行う会社側のデメリットを3つ紹介します。
- 社員の団結力が得にくい
- 社員の人柄がわかりにくい
- 人材が余ってしまう可能性がある
会社にとっても、在宅勤務のデメリットがあります。
在宅勤務を取り入れる場合には、以上の3点を踏まえた上で、対策をしましょう。
対策をしっかりと行えば、デメリットをおさえつつ、在宅勤務のメリットを活かせます。
営業を在宅勤務で行う会社側のデメリット①社員の団結力が得にくい
在宅勤務では、業務連絡以外に社員同士の交流が生まれにくいです。
そのため、社員同士が仲良くなったり、団結して仕事を頑張ろうとしたりすることも少ないです。
会社として社員のまとまりを作りたい場合には、オンライン飲み会を実施する、雑談タイムを設けるなどの工夫をしましょう。
その際には、強制参加ではなく自由参加にして、在宅勤務の強みである自由度を損なわないようにしてください。
営業を在宅勤務で行う会社側のデメリット②社員の人柄がわかりにくい
在宅勤務では、社員と雑談をすることもあまりないですし、表情や仕草などもあまり目にする機会がないでしょう。
そのため、社員の人柄を知る機会が少なく、どんな人なのかよくわからない状態で仕事をすることになります。
在宅勤務に慣れてくれば、「仕事をしっかりしてくれれば問題ない」と割り切れるようになります。
とは言え、慣れるまでは「人柄がわからないのは不安だな」と感じることもあるでしょう。
個別に社員とコミュニケーションする機会を作るなどの対策をしてください。
営業を在宅勤務で行う会社側のデメリット③人材が余ってしまう可能性がある
すでに少し触れましたが、在宅勤務では中間管理職の仕事がなくなってしまう可能性もあります。
やり方にもよりますが、在宅勤務ではやる気や進捗状況の管理は、基本的に社員個人がそれぞれ行うことになります。
また、新人育成についても、動画などで教材をまとめておけば、個別に営業の仕方を教える必要もありません。
「人材が余る=コスト削減になる」とも捉えられますが、今まで長く働いてきた人の待遇を大幅に変えるのにはかなりの労力がかかるでしょう。
とは言え、一度改革してしまえば手をかけなくても新人育成ができますし、コストが減るので利益がたくさん出ます。
在宅勤務を導入するなら、古い体制を一新して、より業績が出る仕組みづくりに取り組んでみましょう。
在宅で営業をするために必要なもの3つ
前章までで、在宅で営業業務を行うデメリットを紹介してきました。
デメリットはありますが、対策を取ることでカバーできますので、ぜひ実践してください。
ここまで読んだ方の中には、「対策をしつつ在宅勤務を取り入れよう」と感じている人もいるでしょう。
とは言え、在宅勤務を実際に取り入れるためには、用意しなければいけないものが3つあります。
- 通信環境
- 勤務ルール
- ツール
以上3つを準備して、万全な体制で在宅勤務を始めましょう。
抜け漏れがあると、運用開始してからさまざまなトラブルが発生するリスクがあります。
トラブルが起きると「在宅勤務なんてしなきゃいいのに…」などと、社員から不満が出たり、会社に対する信用を失ったりしてしまいます。
「あとからでいいや」「面倒だから大体で…」などと考えず、事前に準備しておきましょう。
在宅で営業をするために必要なもの①通信環境
在宅で営業を行う場合には、インターネットを使います。
インターネットに接続するPCやタブレット端末と、Wi-Fiを準備しましょう。
通信環境が悪いと顧客との商談中に話が聞こえなくなるリスクがあります。
顧客から悪評を受けてしまっては元も子もありませんので、社員一人ひとりの通信環境に問題がないかチェックするようにしてください。
あまり耳にすることはありませんが、Wi-Fi代を会社負担にするのも1つの手でしょう。
福利厚生のよい会社としてもアピールできるかもしれません。
在宅で営業をするために必要なもの②勤務ルール
在宅勤務を始めるにあたって、勤務ルールを明確にしておきましょう。
- 出社時間は何時か
- 報告は誰にするか
- 退勤管理はどのように行うか
- 情報管理におけるセキュリティ対策
とくに、情報の取り扱いに関しては細心の注意を払ってください。
ネット上でのやりとりでうっかり顧客情報を漏らしてしまっては、大問題になってしまいます。
社員向けに、情報リテラシーに関するセミナーをするなど、対策をしましょう。
まとめ:営業職に在宅勤務を取り入れてコスト削減を目指そう
営業の在宅勤務について紹介してきました。
会社の体制を大きく変える必要があるので、導入は大変ですが、社員・会社の双方にメリットがあります。
もちろん、デメリットもありますが、対策を講じれば問題なく運営できます。
記事中では対策についても紹介しましたので、参考にしながら、在宅勤務を取り入れてみてください。